サイクル腐食性(複合サイクル試験)
参考資料 JIS K 5600-7-9
腐食促進試験の一種で、塩水噴霧試験、乾燥試験、湿潤試験を組み合わせた繰返し試験を行うことで、金属素地を保護する塗膜の劣化因子(水,酸素,塩分)に対する抵抗性を評価する。
試験規格
JIS K 5600-7-9:2006 塗料一般試験方法
-第7部:塗膜の長期耐久性
-第9節:サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤
試験内容
- 単刃の切込み具を用い、塗膜を貫いて素地に達する真っすぐな交差線の切込み 傷 を付ける。
- 試験片を垂直に対して20±5°の角度で上向きに立てかけ試験槽内に置き、試験槽を閉じて必要なサイクルで運転する。
- 規定された試験サイクルが終了した後、試験槽から試験片を取り出し、浄水で塩化ナトリウム溶液の残渣 を洗い流す。
- 直ちに試験面の劣化(膨れ、さび、割れ、はがれ)の等級を JIS K 5600-8-1~8-5によって評価する。
試験条件
①サイクルA:複合サイクル試験の一般的な試験方法として、自動車関連及び建材の分野などで用いられている。
②サイクルD:JIS塗料(JIS K 5551 構造物用さび止めペイント、JIS K 5621 一般用さび止めペイント、JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント等)のサイクル腐食性の評価などに採用され、塗膜の促進防食性を評価する方法として幅広く用いられている。
③JIS K 5600-7-9には上記のほかにも異なる腐食条件の“サイクルB”及び“サイクルC”が規定されている。
使用機器
〔例〕複合サイクル試験機 CYP-90(スガ試験機㈱)