促進耐候性(紫外線蛍光ランプ法)

参考資料 JIS K 5600-7-8

自然暴露環境における塗膜劣化の主な要因の一つが太陽光であり、促進耐候性試験は、自然暴露を促進させるために強い強度の人工光源を用い、短時間で試験・評価するために行われる。
紫外線蛍光ランプの光は特定の波長の紫外線を照射することに特化した試験機であり、太陽光に含まれる可視光や赤外線などは含まれない。

試験規格

JIS K 5600-7-8:1999 塗料一般試験方法
-第7部:塗膜の長期耐久性-第8節:促進耐候性(紫外線蛍光ランプ法)

試験内容

蛍光灯紫外線の照射と湿潤暴露のサイクル(水凝縮又は水噴霧)を繰り返したときの試験体(塗膜、プラスチック等)の変化をあらかじめ当事者間で協定した性能について調べる。
促進耐候性試験機(写真-1参照)を用いて、ホルダに取り付けた試験片(写真-2参照)の塗膜に表-1に示す条件でダメージを与えた後に塗膜の変化を調べる。

試験条件

表-1 紫外線蛍光ランプ法による操作条件

項目 試験条件
光源(UVランプの種類) [タイプ1] UVB(313) 太陽光にない短い波長の紫外線を含む
(主波長280~360nm)
[タイプ2] UVA(340) 太陽光紫外線に近似の人工ウエザリング
(主波長320~370nm)
[タイプ3] UVA(351) 窓ガラスを通した昼光の紫外線を模擬
(主波長340~380nm)
温度条件 ブラックパネル温度範囲 35〜80°C
ブラックパネル制御 ±2°C
水温範囲 35〜60°C
湿潤条件 [方法A] 水蒸気凝縮を含む暴露
[方法B] 水噴霧を含む暴露
サイクル条件 4時間照射 BPT※ 60±3°C〔※BPT:ブラックパネル温度計〕
4時間水凝縮又は水噴霧(暗黒) BPT 50±3°C
試料面放射照度 参考値:26W/m2(波長範囲270~700nm)
〔*光源の種類等の設定条件で異なる。〕
推奨試験片サイズ 150×70mm
評価項目(例) 外観(割れ・膨れ・剥がれなど)、光沢度・光沢保持率、測色・色差、グレースケール、白亜化の等級

使用機器

〔例〕アトラス・UVTest(㈱東洋精機製作所)

写真-1 試験機
写真-2 試験片取り付けホルダ